第9章 BAD KIDS
【Gimmick Game】
「雅紀‥‥どした?」
昼休み
おにぎりを、いつまでも手にしたままボンヤリしてる雅紀に、二宮が声を掛ける
「授業中もボーっとしてたでしょ」
「そうだっけ~?」
俺の言葉にも、わざとらしい笑顔浮かべてさ
我に返ったように、食べ始める
明らかに昨日までとは違うよ
父さんが、毎日雅紀に会いに行くとは思わなかったけど
なんか…あったな
「今日、予定空いてるからさ?
ゆうくんとこ、行こうと思ってんだけど?いいかな?」
「うんうん。来てやって♪ゆう喜ぶよ」
「‥‥櫻井、よく行ってんの?」
「ああ。たまにね。和兄に会いたいって言ってたよ」
ゆうくんは何も知らないだろうけど、
家での様子も探りいれとくか
念には念をね
「今日、俺も行こうかな」
思い掛けない二宮のセリフ
雅紀が急に、早口で捲くし立てる
「ニノ!彼女は!?忙しいでしょ?
‥‥ゆうの勉強なら、しょーちゃん見てくれるし」
焦ってんな、雅紀のやつ(笑)
「イヤ‥‥単純にゆうに会いたいんだけど」
「そ、そう?そうする?」
「そのつもりだけど」
嘘つくの下手すぎんだって
まぁ…それはそれでボロが出んのも楽しいけど
「じゃ、今日は俺と二宮君に任せてバイト行ってきなよ。
この前みたいに遅くなるなら、泊まるし」
なんか収穫あるかな
それとも‥‥
二宮、お前にもそろそろ気付いて貰わないとね?
得意なゲーム、
‥‥始めようか?
『friend ship』より