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真昼の月 真夜中の太陽 【気象系BL】

第9章 BAD KIDS


【カウントダウン】




ー櫻井sideー



「久しぶりっ!和兄!」


インターホンが響くと、
隣に座ってたゆうが、嬉しそうに玄関へ消えてった


……やっと来たか





「用事はもう良かったの?」



雅紀が声を掛けると、
二宮は、一瞬驚き怪訝な顔を見せ


その目線は、そのまま壁にある時計へと向けられる



「時間行けんの?」



何にも知らないもんなぁ

お前と同じトコで働いてるなんて







「今から行くとこだったんだ。じゃ、後頼むね」


ニット帽を被った雅紀は、ニカッと笑って俺達に手を振った




バタンと響いたドアの音を遠くに聞きながら、
コタツに入った二宮と向き合う



「用事もう済んだの?」



俺が作り笑顔を向けると、
素っ気ない返事をして、ゆうの手元を覗き込んだ



「勉強進んでる?」

「うん。翔兄、教え方上手いんだ」

「ナンだよ(笑)俺は下手だって?」






ふぅん

雅紀の大事な物は、俺も大事だって?

ずいぶん、優しい顔するんだな



「ジョーダンだよ。良かったじゃん?俺、英語は苦手だし」

「イヤ俺も、中学生の問題だから、どうにかってレベルだよ」

「良く言うわ。優等生が」



……優等生、か



「二宮君だってそうじゃないの?
テストじゃ毎回上位だって‥‥クラスの子、言ってたよ」

「ナンだよ。調べてんのか?」



笑いながら、軽く言うけど




「そうだよ?」



お前の事なら、全部知ってるよ

もしかしたら、お前以上に



「だってニノ、なかなか俺に心開いてくんないじゃん?」

「なに、雅紀風に言ってんだよ。気持ちワリィな」

「はは…バレた?」

「バレたも何も、まんまじゃん」

「雅紀みたいに言ったら距離縮まるかなって」

「うぜーよ(笑)」





ケラケラ笑いながら、俺を見る二宮の眼差しが…

以前より棘がないような気がした







雅紀の家で、

雅紀の作り出す空気が、

感覚を麻痺させたか?


恋は盲目とはよく言ったもんだな







もう少し

あと少しだ


すべての準備が整うまで








『a gear』より
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