第8章 僕達の失敗
【LAW&ORDER 2】
ユウさんの事で、
息子の櫻井が俺を憎むのは当たり前だと思う
だからと言って、雅紀を巻き込むのだけは…
「ヤだよ(笑)」
「頼む…」
「お前、ホントにアイツが大事なんだな。
こんな必死になってさぁ」
櫻井は
いくら俺が頼んだ所で、頷くわけない
こんなの、無駄だってわかってるけど
『雅紀を地獄に堕としてやるよ』だなんて
ハッタリでも出任せでもない
櫻井は本気で言ってる
俺が…どうにかしないと
「わかってんだろ?頷くわけねーじゃん。
そんな心配ならさ、俺を見張っとけば?」
「見張る‥‥?」
「そう。ずっと俺の側で。雅紀に何かしないか見張ったらいい。
俺のご機嫌とってさ?…そしたら、気持ちも変わるかもしんねーよ?」
試すように、俺を見下し
返事を待ってる
「…わかった。そうさせてもらう」
「……健気だね~」
健気?
そんなんじゃない
俺のせいでアイツは、バカなことやってんだ
当たり前だ
「そんなに好き?アイツのこと」
好き?
伝えられない想いを抱く事が…
雅紀に想われるアンタには、わかんないだろうな
「…トモダチだからな」
お前は、アイツの告白になんて答えた?
俺への復讐のネタに使えるとでも思ったか?
アイツの真っ直ぐな気持ちだけは踏みにじるな
それだけは頼むから
あれ以上ボロボロに傷付いたら
アイツはきっと、
もう、笑えなくなる
俺に、お前を咎める権利なんてない
だけど、それでも
俺はお前を許せない
絶対だ
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