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真昼の月 真夜中の太陽 【気象系BL】

第8章 僕達の失敗


【狂った果実】







なに…してんだよ




助けに行こうとドアに手を掛けても


ロックされたドアはビクともしない


どうしようも出来ない俺を、櫻井が満足そうに見てる




「頼むから!雅紀をっ…」

「まぁまぁ!ここからが楽しいんだってよく見てよ」




顎で促された、ガラス越しのアイツは
フラフラの脚と腕で、四つん這いになり





『お、ねがい‥‥しま‥す、
俺に‥‥入れて‥‥ください‥‥』




オトコ達に向かって、ケツを上げた



アイツの、
見たこともない顔が‥‥


目が、

声が、




「なんっ‥‥で」

「だからさ?アイツもスキでやってんだって!聞いただろ?」

「嘘だ」

「嘘じゃねぇよ!」




櫻井が俺のシャツを掴み、無理矢理顔を雅紀に向かせ


ガラス張りに擦り付けた



「ほら!自分で2本も咥えてんじゃん(笑)」



ケツを突かれながら、
口ではオトコのモノを奥まで咥え込んでる



「あっあっあぁ‥‥」



濡れた声が、

啜り泣くような声が、



頭から離れない



「やめてくれ‥‥!」





その場に崩れ落ち、膝を付く

目の前の櫻井は冷淡な笑みを浮かべてる









「魔法の言葉があるんだよ。
言うこと聞かない犬にはさ? これ言ったら確実なんだ」










にやついた顔が、怒りを増幅させる


すぐ側で喘ぐアイツを見てると、気が狂いそうになった



必死で思考を停止する



嘘だ

嘘だ

嘘だ







「オマエが満足させてくれないと‥‥次はカズの番だぞってね。

雅紀を相手するヤツには、抵抗したらそう言えって教えてんだ♪」






ジンジンと耳奥を刺激し

痛いくらいに胸を突き刺す



オマエ‥‥さ ?


何考えてんだよ


何のためにこんな事するんだよ




今さら浮かんだ

白だかピンクだかがいいかも…なんて
照れくさそうに、初めての理想を語ったアイツ


そんな、アイツの青臭い願望を




俺が、


俺のせいでまた、奪ってしまったのだと







ただ、苦しくて、


瞳は閉じなくとも、視界は滲んで見えなくなった





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