第8章 僕達の失敗
【Lorelei 2】
『んンッ!あぁっ…』
お前よか、ひとまわりはデカいオトコにさ
好きなように扱われて‥‥
こんなトコでなにしてんだよ‥‥
「いい声で鳴くでしょ?‥‥俺のペット♪」
「櫻井!オマエ!」
「雅紀はね~、されんのが好きみたい。マサキのMってそうゆー意味か(笑)」
「ざけんな!」
櫻井に近寄り、シャツの胸元を掴んだけど
『オイッ‥‥起きろッ』
向こう側から響いた野太い声に思わず目を奪われる
2人に散々弄ばれた雅紀が
床に転がったまま、
視点が定まらない不安定な表情で‥‥宙を見てる
ヤバい‥‥アイツ、意識が‥‥
ドンドンとガラスを叩いても、ビクともしない
「雅紀っ!雅紀っ!!!」
名前を呼び続ける俺の声は、虚しく響くだけで
雅紀には、全く届かない
「無理だって~。アッチからは見えないようにしてるから。
声だって届かないし…よぉく知ってるだろ?」
「…っ止めさせろ!早く!!」
俺の声を掻き消す、耳障りな笑い声
朦朧としながら、横たわる雅紀に
ヤツらは、無理矢理起き上がらせようと
酒の瓶を傾け、勢い良く頭から浴びせてる
そして、
雅紀の耳元で、何かを囁いた
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