第8章 僕達の失敗
【Lorelei 1】
『ハッ…やっ、あぁっ…』
部屋に入った途端
疳高い声が響いた
目の前に広がる、ガラス張りの向こうでは
オトコ3人が淫らに絡み合っている
こちら側から見るってのは、
なかなかないな…なんてぼんやり思いながら
ただ、…冷ややかに傍観した
身体の大きな男2人に、華奢な男が攻められてる
後ろから包まれるように抱かれ
乳首を弄られながら、首筋を舌が這う
そして、もう1人には
開かれた脚の中心を激しく扱かれている
その度に、華奢なオトコはビクビクと身体を揺らし
鳴き声を上げた
「‥‥‥」
悪趣味な場面だな
こんなのを何故俺に見せたいのかと、ため息を吐いた瞬間
「え……」
喘いでたオトコが、上体を逸らし
その淫靡な表情が、こちら側を向いた
息が、……止まるかと思った
あまりの衝撃に、反応できない
怒りなのか、
痛みなのか、
体の奥底から湧き上がる感情が‥‥
混乱した頭で、
必死に言葉を探す
「‥‥なん、だ‥‥よ……これ……」
「ビックリした?」
クスクス笑いながら、ガラス張りの向こう側を見る櫻井
「お前と一緒だよ」
「え?」
「お前も飼われてんだろ?」
ドクンと、
心臓が‥‥鳴る
「調べて全部知ってるから」
「オマエなに言ってんだ?」
だから…何を言いたいんだよ
震える拳を、
もう片方で必死に抑えた
考えたくない
とにかく今は
「そんなのいいから!早くアレを止めさせろ!」
壁を力任せに叩きつけ
櫻井を睨んで威嚇した
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