第1章 終わりの始まり
【自己犠牲 2】
「お、ねっが‥‥い‥‥早くちょ‥だいっ」
絞り出すような声で
ユウさんに熱っぽい視線を送る
ニヤリと口端が緩み、
ユウさんの体重が一気に押し掛かった
「ぁあっ!‥んっっは!」
全身が性感帯になったみたいに、湧き上がる疼きを止める事が出来ない
ユウさんに何もかもを教え込まれた身体は 、気持ちがなくても、自然と熱を帯びる
"慣れ"や"習慣"はコワイ
執拗な"調教"だって、当たり前な日常になるんだから
「カズ、イイ‥‥」
満足気なユウさんの額に、うっすらと汗が滲んでいて‥‥
今日のお勤めも無事に済んだと安心する
「カズは、ハジメテの時から変わってないね」
裸のまま丸まった俺にユウさんが囁く
「‥‥んなコトないでしょ?ハジメテん時は、怯えてなかった?さすがに緊張するし」
「‥‥怯えて?」
ふふっとユウさんが笑って、
俺の髪に触れ、煙草に火を点けた
「気持ちは絶対、許さないってトコね‥‥裸になって、全てをさらけ出しても」
「そんなことないよ?‥‥俺、ユウさんいないと生きてけないもん」
俺がそう応えると、何もかも見透かしたように、
ユウさんは笑った
ハジメテん時か
途端に浮かんだアイツの顔
アコガレや期待なんてなんもなかったな
ただ、 利用しただけだ
付加価値ついてイイダロって‥‥
自分の身体を売り物にしたんだから
自分の意志でね
それしか
俺には道がなかったんだ
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