第1章 終わりの始まり
【自己犠牲 1】
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「ぁ‥‥ハァ‥‥ん‥‥」
間接照明だけの暗い部屋の中
喘ぎ声を響かせ
ベッドの側に立てかけた鏡に
時折、自分の顔がゆらゆら映る
「カズ、‥‥ほら、もっと鳴いて」
「‥‥っ、くっ‥‥」
この間の仕返しと言わんばかりに
ユウさんの手は休む事なく、俺を攻め立てる
ベッドにうつ伏せにされ、後ろから抱き締められたまま‥‥
首筋から背中に舌が這い
鈍い痛みを肌に感じた
その間も、回された腕は俺の中心に伸び
先端を弄りながら上下に刺激する
「ユ‥‥ウ、さっ‥ん」
訴えるように、後ろに身体を捻らすけど
意地悪な瞳は、まだまだ許してくれそうにない
「カズは演技が上手いから」
クスクス笑いながら、
俺を組み敷いて激しく唇を重ねると
グイッと太腿から持ち上げ、顔の前に俺自身をさらけ出す
「カズ?おねだりして」
ユウさんは、その日の気分で
抱かしてやりたくなったり、
思い切り虐めてみたくなるんだってさ
だから今日は、
ちゃんとそれに応えなきゃなんない
股を押し広げられた女みたいに
男だったら、とんだ醜態だよ
だけど‥‥ 俺はもう
そんなプライド、とうの昔に捨てたけど
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