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真昼の月 真夜中の太陽 【気象系BL】

第8章 僕達の失敗


【裏表】






その日も、コンビニで弁当買って、部屋に籠もってた




店に行く理由もなくなったし、
ユウさんが毎日来るワケでもない



元々、ひとりでいる事は苦じゃない


その方が向いてると思う


適当にゲームして、マンガ読んで
ギター弄って、誰にも邪魔されず、淡々と過ごす






なのに、


静寂を破る機械音に
過剰反応し、ケータイを置いたテーブルに振り返った


俺は何を期待してんだと、自分に言い聞かせながら


立ち上がり、ケータイに手を伸ばした






メール受信

送信者は“ゆう”だ




『和兄、遅くにゴメン』


『結局、雅兄、どこに行ってるかわかんないんだ。
新しいバイトしてるみたいだけど、帰りは夜中だし…』




未成年のバイトで帰りが夜中?


『大丈夫としか言わない。だけど、すごく痩せたし疲れてるし』



アイツ、変な事に手ぇ出してないよな?



『母ちゃんは入院中だし
夜1人でいると余計な事ばっか考えて』




ゆうに心配掛けて、
アイツ何考えてんだ





あれ…?

なんだ?この違和感




イヤ、考え過ぎだよな


でも…

あの時のやたら言い切った顔が気になって…


胸の奥がざわつき出す


メールに目を通した後、直ぐに電話した







「ゆう、メール見たよ。大丈夫か?」

『うん、大丈夫。ただ雅兄が』

「他に変わった事とかある?」

『痩せたし…
香水やお酒の匂いがする。居酒屋で働いてるとか言うんだけど…』

「そう。あのさ、
聞きたい事あんだけど、昨日の夜も雅紀は居なかった?」




ゆうの返事だけで、決め付けるのはどうかと思うけど…


それに、イマイチ意味がわからない


その嘘に何の意味があるんだ?




『昨日も居なかったよ。やっぱり帰りは夜中だったし』

「…そう。とりあえず、俺が雅紀と話すから。な?」




不安気なゆうと暫く話してから、電話を切った







アイツの事で頭がいっぱいになる


次々に浮かぶ疑問は、
不安を掻き立てるばかりだ


ただの思い過ごしなら構わないけど


一度疑うと、
アイツにはやっぱり裏があるような気がして不安で仕方なかった




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