第8章 僕達の失敗
【mistake】
相変わらず、変わり映えのない毎日
ガッコ行って、それなりに優等生して
昼飯代わりに保健室に時々寄って
夜になれば、ユウさんに抱かれ、従順な飼い犬を演じて見せる
「おねがっ、も…ちょ…だいっ」
疼く身体を擦り付け、上目遣いでおねだりする
俺のイイトコロを知り尽くしたユウさんのセックスは、やっぱり上手いと思う
「何にも聞かないの?」
散々繋がって、汗にまみれた身体を並べ、ベッドに横たわる
腕で頭を支えたユウさんが、そう声を掛けてきた
あえて、聞かなかっただけだ
知られてしまってからどう足掻こうと意味がない
この人の持つ権力や金に、今は太刀打ち出来ない
反抗したって無駄だ
「聞いてどうすんの?
…俺はユウさんの犬だよ。他に尻尾振ったから、って事だよね?」
「わかってるならいいんだよ」
ユウさんの手が俺の腰に触れ、グイッと身体を寄せられた
汗が冷え始めた肌に、
ユウさんの緩く勃ち上がったモノが擦りつけられる
「ユウさん…、シたばっかじゃん」
口角を上げ、ソレを掌でやんわり包むと
ゆっくりと上下に扱き始めた
「カズ、
もう…あの子に会っちゃいけないよ?」
「……」
「傷付く事になるからね」
ユウさんの穏やかに発したセリフは
声色と裏腹に、俺を追い詰め、
頷かせ、素直に言葉を受け入れさせた
『キズツクコト二ナルカラネ?』
ユウさんなら、雅紀に何かをやりかねない
だけど、
その言葉の意味を俺は履き違えていた
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