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真昼の月 真夜中の太陽 【気象系BL】

第8章 僕達の失敗


【琥珀色の向かい風】



ー雅紀sideー






シンとした教室


ニノが、俺を睨んでる


だけど、何も言わない俺にため息ひとつ吐いて、そのまま教室から出てった




猫背の後ろ姿を見送り

その姿が見えなくなっても 動けない俺に、


しょーちゃんの掌が、頭にポンと優しく触れた





「‥‥大丈夫?」





倒れたままの机を起こして、俺の目の前に立つ



「ん…」



どんな顔していいかわかんなくて、とりあえず笑う



「二宮君、怒ってたね」

「だね」

「追い掛けなくていいの?」

「…なんで?俺悪くないよ。
ニノが勝手に怒って出てっただけじゃん」

「……そう?」







あんな風に言えば、
俺ンとこにお金を持って来ようだなんて思わないよね


きっと、仕事するのだって嫌になるよね






「もしかしてさ?お前、お金の出所知ってんの?」

「なに言ってんの?しょーちゃん。…知るワケないじゃん」




鋭い視線から逃れたくて、
椅子に座り直し、うーーん、とわざとらしく伸びをした




「雅紀は二宮君が好きなんだね」

「なにぃ?いきなりっ、そりゃ友達だもん。

…ってか、今ので嫌われたちゃったかもね」





そうだよ
いっそのこと、キライになってくれたらいい





「雅紀……」

「ん?」




しょーちゃんに放たれた言葉に、思考回路が停止する






「違うよ。好きなんだなって、

その好きとは違う意味で聞いてんだよ。俺は」







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