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真昼の月 真夜中の太陽 【気象系BL】

第8章 僕達の失敗


【嘆きの天使 1】






ドアの前まで黒服の後を着いて歩き、
促されるまま開けると、お決まりのセリフを口にした


ユウさん以外の客は初めてだから‥‥自然と声が上擦る







「ご指名、ありがとうございます。マサキです」






慣れた個室の光景も
細身のユウさんと違う人だと、また全く別の部屋に見えた


ガッシリとした逞しい体型の男の人
明るい髪色に、胸元に光るギラギラしたネックレス


歳は40いかないくらいかな?






「‥‥ふぅん?思った以上にガキだな(笑)」

「‥‥‥」



リストの写真に写る自分が、どんなものかは知らないけど‥‥


仕事始めに撮られたポラロイド
きっと、似合わないスーツ姿に、強張った表情の俺が収まってるハズだ




「言われたコト、何でもやるんだよな?」

「…ハイ」

「とりあえず、後ろ向け」




乱暴な口調

俺を見る視線は
“人”とも見ないような、見下した眼差し






「ほら、早くしろって!
1時間幾ら払ってると思ってンだよ」




グイッと腕を掴まれ、ソファーに投げ出された


見た目通りの力に、簡単に組み敷かれ


…抵抗する気なんてないのに


蔑んだ眼差しに、思わずたじろいだ






「なんだ?その目?
……お前、俺がお客様だってわかってんのか」

「え‥‥」





何か応える間もなく、
男の平手が飛び、頬にジンジンとした痛みが走る


驚いたのと衝撃で‥‥


完全に身体が固まった




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