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真昼の月 真夜中の太陽 【気象系BL】

第7章 僕が僕のすべて


【friendship】






「久しぶりっ!和兄!」



満面の笑顔で迎えてくれるゆうに、自然と俺も笑顔になる



「用事はもう良かったの?」

「‥‥あれ?」



リビングに進んだ俺の視界に雅紀が入って‥‥

思わず、壁にある時計に目をやった






「お前、時間行けんの?」





酒屋のバイトは6時からじゃなかったっけ?

もう7時過ぎてるけど?



「今から行くとこだったんだ。じゃ、後頼むね」



ニット帽を被った雅紀は、
にっこり笑って、俺達に手を振った


バタンと響いたドアの音を遠くに聞きながら


コタツに入り、櫻井と向き合う



「用事もう済んだの?」



参考書片手に、爽やかな笑顔を見せるヤツに
一応、「ああ」と返事して、ゆうの手元を覗き込んだ



「勉強進んでる?」

「うん。しょー兄、教え方上手いんだ」

「ナンだよ(笑)俺は下手だって?」




ワザと意地悪な言い方をした俺に
ゆうは慌てて、首を振った



「違うよ違う!雅兄と比べてんの」



こーゆうムキになるとこ、やっぱ兄弟だなって思う



「ジョーダンだよ。良かったじゃん?俺、英語は苦手だし」

「イヤ俺も、中学生の問題だから、どうにかってレベルだよ」

「良く言うわ。優等生が」

「二宮君だってそうじゃないの?
テストじゃ、毎回上位だって‥‥クラスの子、言ってたよ」

「ナンだよ。調べてんのか?」




ゆうの宿題をチェックしながら、軽く言った俺に


「そうだよ?」




櫻井の落ち着いた声が響く







「だってニノ、なかなか俺に心開いてくんないんだもん」

「なに、雅紀風に言ってんだよ。気持ちワリィな」

「はは…バレた?」

「バレたも何も、まんまじゃん」

「雅紀みたいに言ったら、距離縮まるかなって」

「うぜーよ」




ケラケラ笑いながら、
雅紀ナシでも、こうして櫻井とココにいるのが不思議で‥‥


コレもやっぱり、雅紀が作り出した空気なんだろうな


アイツが間にいなかったら、
他人とこんな風に過ごすなんて有り得ない







アイツを取り巻くものは

全てが暖かい




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