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真昼の月 真夜中の太陽 【気象系BL】

第7章 僕が僕のすべて


【unexpected 2】



ー雅紀sideー



「こんばんは。マサキ君」

「こんばんは」






ドアを開ければ、当たり前になったその人の存在





「今日はシャンパン開けようか」





数時間もの間、個室で俺と話すだけなのに、

高い金額を払わなければならないユウさん



ユウさんは『気にしないで。飲みたいだけだから』と笑ってくれるけど


綺麗なお姉さんのいるお店に行った方が楽しいはずなのに‥‥


初日からずっと、
ユウさんは、俺の出勤時間に合わせて来てくれる


他に予定だってあるよね




「‥‥どうかした?」




きっと浮かない顔をしてた俺に、ユウさんは首を傾げる




「いつも、ごめんなさい」




ユウさんがシャンパングラスを置いて、また優しく笑った




「気にしないでいいって言ったでしょ」

「そうですけど‥‥」

「‥‥マサキ君は、
こうして僕と話してるだけじゃつまらない?」

「いえ!そんなことないです!楽しいです」




思わず叫んだ俺に、ユウさんはクスクス笑った




「そう。それなら良かった」

「‥‥はい。ただ、

俺なんかと話してるだけで、お金たくさん使わせちゃってるし」




どう考えたって、申し訳ないし

いつまでも、これが通用するわけないって‥‥

ちゃんとわかってる




「だから、申し訳なくって」




俯いた俺

しばらくの沈黙






「じゃあ、なにかシてもらった方が、

マサキ君は気にしないで済むのかな」

「えっ」




耳に響いたユウさんの言葉に


‥‥顔を上げると


俺の膝にユウさんの手が触れ



アルコールの香りと一緒に


柔らかい感触が、唇に伝わった




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