第4章 真実
「えっと…牡丹さんが倒れたお母さまに瓜二つで思い出してしまいました。見れば見るほどお母さまです。あはは。なんか親離れできていない子供みたいで恥ずかしいです。」
「そうだったんですね。私は家族がいないのでいたらこんな感じかなって少し嬉しかったですよ。」
牡丹とグレイスが並んでも、やはり顔立ちも声も身長もそっくりである。まるで生き別れた兄弟の様な見た目である。そして、2人はお互いに初めてあった気がしなかった。
意気投合している2人を側で見守るアレクは難しい顔をして考える。グレイスが話してくれた話を思い出していた。
「我が国スノードロップには双子のこどもが産まれました。妹は産まれてすぐ何者かにさらわれてしまい、兄はひとり残されました。残された兄は私です。私は妹のグレイシャを見つけスノードロップに一緒に帰りたいです。こうしていろんな国に尋ねていますが妹…グレイシャ…は何処にもいないです。しかしひとつだけ手掛かりがあります。それは何故がスノードロップ王国の一族は身体のどこかに雪の結晶の痣があります。」
グレイスは、ほらねと右腕の袖を二の腕まで捲ると、そこには雪の結晶の痣があった。その痣にアレクは見覚えがあった。そう、牡丹の背中にある痣と全く同じだった。