第4章 真実
グレイスは牡丹を気に入ったのか、屋敷に訪れると必ず会いに来るようになった。グレイスも屋敷に来る日が頻繁になっていた。牡丹も楽しそうなのでアレクも止める義理は無かった。
アレクは行動に出ることにした。
コンコン
「お父さま失礼致します。」
アレクは国王の部屋の扉をノックし、ドアノブを捻り扉を開ける。そこには偉大な姿で装飾のほどこられた椅子に堂々と座るお父さまの姿がある。
アレクは国王にどうしても確認したいことがあった。牡丹のことに対してだ。
「アレク、私に会いに来るなんて珍しいな。」
「お父さま、確認したいことがあります。お時間宜しいですか。」
国王がコクリと頷くとアレクは聞きたいことを話す。
「メイドの牡丹の事についてです。」
アレクは本当の真実を受け入れたくなかった。ここで国王がそんな奴はメイドの1人でしかないと言ってくれとこころで願っていた。しかし現実は甘くなかった。