第4章 真実
牡丹はアレクの熱を思い出しながら屋敷の掃除をしていた為、曲がり角から人が来る事に気付いていなかった。
「おっと、君大丈…」
「すいません!不注意を失礼致しました!」
牡丹はぶつかった反動で尻餅をついてしまう。咄嗟に相手に謝る為に顔をあげると、牡丹は一瞬、状況を飲み込めないでいた。
そこに鏡があるのではないかと思うほど、同じ顔が立っていた。
よく見ると、その人物は男性で髪の毛は牡丹も短く目の色も右目が緑左目が青で逆で肩幅も広い。
その人は、牡丹の顔を見た途端、目に涙を浮かべて抱きつく。
「お母さま…。」
その人に抱きしめられて、なぜか懐かしいと思ってしまう。
すると聞き慣れた声が足音共に聞こえてくる。
「グレイス王子、先程の話で少しきになる事が…って牡丹何、王子泣かしてんだ!」
「お母さま…うう、」
「あ…アレクさまおはようございます…。私もよくわからないです…あはは。」
2人でグレイス王子をなだめて泣き止ませる。グレイス王子は今年20歳の牡丹と同い年ぐらいだというのに子供の様にわんわん泣いていた。