第1章 ~第一章~すれ違う二人
―ジルside―
レオの言葉を聞き、思わず眉を寄せながらを見つめると、は頬を染めながら少し困ったように目を伏せた
(………)
「…レオ、貴方に言われずともわかっていますよ。それに、だからと言ってを口説いていい理由にはならないと思いますが」
そう言った声はあまりにも冷たく、自分自身でも思わず驚いた
レオ「……それならいいけどね。じゃあ、邪魔者は出て行くよ。ちゃんに話があるんでしょ?」
そう言ってニヤリと笑うレオに、自分の気持ちが悟られていると知り、居心地の悪さを感じつつ、負けじと笑みを浮かべながら淡々と応えた
「えぇ、に大事な話があるので、席を外していただけると有難いですね」
レオ「はいはい。じゃあ、またねちゃん」
そう言って微笑んでにヒラヒラと手を振りながら、ジルの横を通り過ぎようとしたレオは、ジルの肩を軽く叩きながら、には聞こえないよう小さな声で呟いた
レオ「…あんまりちゃんを悲しませるようなら、今からでも俺がちゃんを貰っちゃうから気を付けてね」
「…っ!!本当に貴方は…」
そう言ってレオはジルの言葉を無視して、ドアノブへと手をかけ、何事もないように出て行った