第1章 ~第一章~すれ違う二人
―プリンセスside―
(ジル…?)
去り際に、レオに何かを言われたジルは、眉を寄せて盛大に溜め息をついた
「あの…ジル、レオに一体、何を言われたんですか…?」
ジル「…いえ、なんでもありませんよ。」
そう言って笑うジルの笑顔はひきつっていて、目元は笑っていなかった
(ジル、絶対にレオに何か言われて怒ってるよね…)
ジル「それより、先程はレオと何をしていたのですか?」
「えっ、普通に勉強を教えてもらっていただけですけど…」
そう私が答えると、ジルはふっと笑みを浮かべた
ジル「そうですか…そのわりには、レオに口説かれていたようですが…?」
「そんな…レオが言ってたのはきっと冗談ですよ」
ジル「本当にそうだといいのですが…」
「えっ…?それってどういう…」
そう尋ね終わる前に、ジルの唇によって私の口は塞がれてしまった