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rain of tragedy【黒バス/ナッシュ】

第1章 rain of tragedy



「・・・ナッ・・」

「待てよ・・・オレがいくら酷い男でも、他人の携帯なんざ覗く趣味はねえよ・・・勿論女のそれも例外じゃねえ」

「っ・・・・でも・・」

「紹介なぁ・・まあよくある話だよな・・・気に入られて連絡先の交換。まずは二人きりでメシに誘われて、次会った時には、男の家に上がり込んでそのままヤるなんざ・・最高に定番だ」

「・・っ・・・」

「男が居ないなら何も悪くねえ・・・むしろそれで引っ付きゃあ、大層お幸せな話にもなる・・・だが気に入らねえな」

「!・・・・ん・・、・・・ナ・・ッシュ・・・、ッつ・・」


見透かされていることなんてずっと前から知っている。

初めて犯された時から、抵抗できないことだって脳と身体が自ずと覚えている。

嘘も付けない・・・そうと分かっていて、結果として狡賢いことに興じようとしたから、今罰が与えられているとでもいうのだろうか。


名無しはナッシュの洞察力と、その淡い緑色をした瞳、奥に感じた淀みに鏡ごし気付き、眉を顰めて冷や汗を更に垂らした。

眉を顰めていたのはナッシュも同じで、けれど名無しと違ったのは、余裕から来る嫌味を全開に込めた表情だったということ。

口角を片方上げ、ローブのポケットに両手を突っ込み、少し後ろから皮肉を吐かれる。

二人の距離はほんの少ししか離れていなかったけれど、ナッシュが一歩踏み出す度に、名無しは鼓動が速くなるのを抑えられずにいた。


「・・・・・ッ・・・」




全てを見抜かれ、彼の手が、自分の肩に触れかけた瞬間に名無しは振り返り、ナッシュを見上げようとした。


が、見上げたと同時にされたことと言えば、顎をクイと掴まれて重ねられた口吸いだった。

キスをされた途端、本当はそれを待っていたかのように、名無しの鼓動はより速くなった。

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