第1章 刀剣女士顕現
そして、瞬く間に新選組関連の刀である大和守安定、和泉守兼定、堀川国広、長曽根虎徹が集まった。四振りは加州清光と同様に雫を見るなり固まり、震え、叫んだ。
審神者も雫も驚きである。
大和守「あぁぁぁあ!!しぃーー!清光が取り乱すから何事かと思ったら。僕、すっごい嬉しい!これからよろしく!」
長曽根「久しぶりだな、雫!またお前と飲めるのか!」
和泉守「しぃじゃねぇかぁあ!!このやろっ、久しぶりだな!後で本丸案内してやるよ!」
堀川「わぁぁあ!しぃだぁ!嬉しいなぁ!また雫と一緒に闘えるんですね!」
と、堀川国広が順に雫を歓迎した。
一通り新選組の刀達と再会の言葉を交わしたあと、雫は背中に強い衝撃を受けた。
『きゃっ……!』
雫は驚いて背後を見やるが、温かな体温が雫を抱きすくめ、振り向くことが出来ない。
加州「ばかっ……!どこ行ってたのさ!」
俺は、ずーっと待ってたのに!そう恨み言のように吐き出した加州は、言葉とは裏腹に雫を抱く腕を強くする。
『ごめんなさい。ハルちゃんは無名の人だったから、私の存在もあまり知られてなかったの……』
加州「もう、離してやんないからな」
『はい。また一緒ですね』
やっと腕の力を緩めた加州に雫は向き直り、今度は彼女がぎゅっと加州を抱きしめた。
『会いたかったです、清光!』
加州「……っ!俺も!」
一瞬、状況が分からずに目をパチクリとした加州は、雫に抱きしめられたのだと認識すると、頭一個分違う彼女を抱え込むように抱きしめ、嬉しさが咲いたような笑顔で頷いた。
雫を抱きしめたことに満足したのか、加州は彼女に向き直り、片方の唇の端だけをあげて意地悪そうに、でも優しげに言った。
加州「この本丸では練度も居住歴も俺が一番。何かあれば頼ると良いよ」