第1章 人が心から恋をするのはただ一度だけである
あっ、これあれだ、
壁ドンってやつだぁ・・・
なんか想像してたのと違うな?
なんて呑気に考えていると、
爆豪くんがとんでもないことを言い出した。
「おい、てめぇを俺の女にしてやる。」
・・・・・沈黙が流れる。
恐る恐る爆豪くんの顔を覗くと、
彼の顔に似合わない真っ赤な顔で俯いていた。
なにこの人!?
意外に可愛いのかも・・・
なんて言ったらほんとに殺されそうだ。
・・・でも私には好きな人がいる。
『・・・あの、ごめんなさ』
「断ったら爆破する!」
私の言葉を遮る爆豪くんの右手からは
バチバチと不穏な音がする。
『ひゃっ!』
数ヶ月前、ヴィランに襲われるも
無傷で生還したタフネスさすが・・・
ていうかこの人がヴィランなのでは!?
私は本気で死を感じた。