第6章 踏み出さない人に結果は決してやって来ない
「最初の対戦相手は、こいつらだ!」
オールマイトが、ヒーロー・ヴィランと
書かれた2つの箱からボールを取り出した。
「Aチームがヒーロー!Dチームがヴィランだ!」
Aチームは出久くんとお茶子ちゃん、
Dチームは飯田くんと・・・勝己くんだ。
(出久くん、大丈夫かな・・・)
私は勝己くんの応援よりも、
昨日のことがあったため
出久くんの心配が先だった。
「敵チームは先に入ってセッティングを!
5分後にヒーローチームが潜入でスタートだ!
他の皆はモニターで観察するぞ!」
私はすぐに出久くんの元へ駆け寄る。
『出久くん・・あの、勝己くんだけど・・・』
「あ・・・あ、うん、大丈夫・・・」
『ぜんぜん大丈夫じゃないね!?』
そう言った出久くんはブルブルと震えていた。
「いや、ちょっと・・だいぶ身構えちゃって。
でも今は、負けたくない・・な・・・って。」
『・・・そっか、頑張ってね!お茶子ちゃんも!』
2人に声をかけモニタールームへ向かう。
出久くんも前に進んでいる。
私は純粋にそんな彼を尊敬した。
(・・あ、勝己くんに声かけるの忘れたな・・・)