第3章 恋は意思とは関係なく生まれ、そして滅びる
お茶子ちゃんの後ろには
寝ぶくろに入った人が転がっていた。
「「『・・・・』」」
「ここは・・ヒーロー科だぞ。」
(なんかいるぅぅぅ!!!)
その人はむくりと立ち上がり
ヌーと寝ぶくろからその姿を見せた。
「担任の相澤消太だ、よろしくね。」
担任かよ!?と皆が心の中で
突っ込んだであろう・・
私たちには理解し難い登場だった。
(よろしくねっていう顔じゃない・・)
「早速だが、コレ着てグラウンドに出ろ。」
そう言って彼が差し出したのは
雄英の体操服だった。
理由のわからないまま、
皆言われるがままに着替えて移動した。
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「「「個性把握テストォ!?」」」
『入学式は!?』
「ガイダンスは!?」
突然の個性把握テストとやらの実施に
私とお茶子ちゃんは先生に詰め寄る。
「ヒーローになるなら
そんな悠長な行事出る時間ないよ。
中学の頃からやってるだろ?
"個性"禁止の体力テスト」
そう言って先生は
勝己くんの方をチラリと見た。