第3章 恋は意思とは関係なく生まれ、そして滅びる
ーーそこに立っていたのは、
細目のオッドアイに
右が白髪・左が赤髪の左右非対称な姿。
・・そして赤髪の下の火傷の痕。
『・・・!
しょーと・・、お兄ちゃん!』
「「「お兄ちゃん!?」」」
私の言葉に、
クラスの多くが驚いていた。
私は嬉しさと感動のあまり
お兄ちゃんに勢いよく駆け寄り抱きつく。
皆がお兄ちゃんと私を交互に見る中
すかさず飯田くんが言葉を発する。
「・・すまない、
君達の名前を伺ってもいいか?」
『あ、自己紹介遅れてごめんね。
私は 轟 綾乃。』
我に返ってお兄ちゃんから離れる。
お兄ちゃんは少し驚いた様子だけど
あまり表情を変えずクールだ。
「・・轟 焦凍だ。」
あぁ・・かっこいい・・・///
本当に再会出来たのが嬉しくて
私は大事なことを忘れていた。
「綾乃ちゃん・・
兄妹がいたんだ・・・うわっ!!!」
『・・・あ。』
出久くんが呟いた途端、
何かに気づいた様子で怯えていた。
(やばい、
勝己くんのこと忘れてた・・・)