第3章 恋は意思とは関係なく生まれ、そして滅びる
「1-A・・・1-A・・・」
『あ、あった。
ドアおっきいねー』
緊張した様子で
出久くんが扉に手をかける。
ゆっくりドアを引き、
そっと中の様子を伺うと・・・
「机に足をかけるな!
雄英の先輩方や机の製作者方に
申し訳ないと思わないか!?」
「思わねーよ!
てめーどこ中だよ端役が!」
あぁ、平常運転・・・。
勝己くんと、真面目メガネくんが
言い合いをしていた。
「ボ・・・俺は、
私立聡明中学出身、飯田天哉だ。」
「聡明~!?
くそエリートじゃねえか
ブッ殺し甲斐がありそだな!」
「君ひどいな!?
本当にヒーロー志望か!?」
その時、ハッと真面目メガネくん・・
もとい飯田天哉くんと目が合い、
スススとこちらへ近寄ってきた。
「俺は私立聡明中学の・・・」
「聞いてたよ!
あ・・・っと僕、緑谷。
よろしく飯田くん・・・」
『あ、私は・・』
「オイ、綾乃!おっせーぞ!」
ピリピリした様子の勝己くんに
言葉を遮られ怒鳴られてしまった。
ごめん、と両手を合わせて見せ、
また彼の機嫌を損ねないよう
勝己くんのもとへ行こうとすると、
「・・綾乃・・・?」
大好きな人の懐かしい声が
私の名前を呼んだ。