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【MHA】私の好きな人と私を好きな人

第2章 迷っているのは、進もうとしているから




『2人とも、大丈夫!?』


出久くんの下へ駆け寄ると、
彼の右手は驚くほど
バッキバキに折れていた。

女の子は個性の使いすぎだろうか、
体調が悪くなり戻している様子だった。


「ぐっう・・あの人は・・・!?」

『無事だよ!てか出久くんのがヤバイ!
無理して立ったら危ないって!』

「良かった・・・!
うっ・・・せめて・・1ポイントでも・・・!」


まだ生きてる左腕で
必死に体を動かす出久くん。
その時無情にも会場にあの声が響き渡った。


「終了~!!」


出久くんの表情が絶望で溢れた。
そこで私は、彼がまだ
0ポイントなのを初めて知った。

その後雄英の看護教諭だという
リカバリーガールが出久くんの腕を
治療してくれていた。

最後に見た出久くんの表情が
頭にこびりついたまま、
入試試験は幕を閉じた。


♤+:;;;;;;:+♤+:;;;;;;:+♤+:;;;;;;:+♤+:;;;;;;:+♤+:;;;;;;:+


ーー入試の帰り道。
勝己くんが家まで送ってくれるというので
お言葉に甘えることにした。


『・・かっこよかったな・・・』

「あ"ぁ!?」

『あ、勝己くんじゃなくてね!』

「・・殺すぞてめぇ」


いつも通りのやり取りに
どこかホッと安心してしまう。
・・だが、次の私の一言で
また彼の機嫌を損ねてしまうのだった。


『出久くん、ホントすごかったよ!
本物のヒーローみたいだったもん。』

「・・・あ?デクだぁ?」

(あ、やばい。地雷ふんだ・・)


ただでさて強面な勝己くんの表情が、
ヴィラン顔負けの恐ろしいオーラを漂わせる。

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