• テキストサイズ

【MHA】私の好きな人と私を好きな人

第2章 迷っているのは、進もうとしているから




「・・ちっとこっち来いや。」

勝己くんにグッと腕を捕まれ
帰り道から少し外れた
人気の無い路地裏へ連れ込まれる。

(傍から見れば
不良のカツアゲ現場なのでは・・!?)

これが人に見つかれば・・
通報されて問題になりかねない!
勝己くんの内申のため、
誤解されないためにも
私は抵抗しないことを心に決めた。


「・・綾乃てめぇ、
何デクと仲良しやってんだ?」

『ええ・・・や、だって、
同じ中学出身だし会場一緒だったし・・』

「んなこた聞いてねーんだよ!
無個性のザコが俺よりかっこよかっただァ?」

『勝己くんよりかっこいいとは
言ってないから!・・て、あれ・・・』


・・よく考えたらそうだ。
出久くんはクラス唯一の無個性だった。
それが何であの時・・・

その瞬間、私の思考は止まった。
私の顔のすぐ左横に勝己くんの拳が
メリメリと壁にぶち込まれていた。
それは数ヶ月ぶりの感覚だった。


「てめぇ、今またアイツのこと考えてただろ」

『や、ごめ・・そうなんだけど!
だって入試のとき・・・』

「黙れ」


威圧に負け口を閉じる。
ふと勝己くんを見つめると、
彼の目も私を捉えて離さなかった。
勝己くんの左手が自然に私の頬に触れる。

『・・・っ//』

それはさっきまでの言葉とは真逆で
優しくふわっとした感じだった。

/ 43ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp