ヤンデレヴィクトル氏による幸せ身代わり計画【完結済】
第3章 少し関係の進んだ身代わりの話
「なにそれ、それだったらサクラだって危機感持った方がいいよ!男の前でこんな裸でいたら襲われるからね、こんなふわふわのおっぱいの上に男の顔を乗せるなんてもってのほかだから!」
やわやわと胸を揉んでそう抗議するヴィクトルの姿に桜は
「分かった、襲われたくないから服着るね、だから体をどけて」
と、呑気にそう返した。
「俺はいいんだよ」
「ええ、なにそれ?もうマッカチンがお腹すかせて可哀想だからさっさとどいてよ、あと服着たい」
「マッカチン、そうだね、ごめん退くよ。でも服は駄目、今日は1日そのままでいて」
「嫌だよ」
日本で有名な某セレブ姉妹の姉じゃないんだから…
「サクラは俺が嫌いなのか?」
「何でそうなるのか理解に苦しむんだけど…」
顔を赤くして視線をさ迷わす桜に、どうしても裸で過ごして欲しかったヴィクトルは意外そうに問いかけた。
「もしかして恥ずかしいの?」
「恥ずかしいよ、恥ずかしくない訳ないじゃない」
「何故?お互い何度も裸を見てるから恥ずかしがらなくてもいいと思うんだけど」
「え?いや、でも、恥ずかしい…え?恥ずかしくないの?」
「俺は恥ずかしくないよー」
口をハートの形にして、ヴィクトルが言うから、桜は一瞬そういうものなのか、と納得しかけたが、やはり羞恥に勝てずNOと首を振った。
「でも私は恥ずかしいから嫌だな」
「ええ、もしかしてサクラ襲われるって思ってる?エッチだなぁ〜」
「さっき裸でいたら襲われるってヴィクトル言ったじゃない」
そうやってからかうように言えば反抗して裸でいると思われている。
冷静にそう思い至った桜はその手には乗る事はなかった。
「だから、俺の前ではいいんだよ」
思った反応では無かったので、拗ねたようにそう言ってくるヴィクトルに、だんだん面倒くさくなってきた桜は、さっさとこの会話を終わらせるために男の言葉を逆手にとる形で言葉を返した。
「でもショックだな、裸でいても襲われないなんて女としての魅力が無いって事だよね…ごめんね、貧相な体晒しちゃって、さっさとしまうから早くどいてほしいな」