第16章 初陣 〜前日譚〜
秀吉「俺達も入っていいか?」
城に着き部屋の前まで来ると、秀吉さんはそう言った。
「?うん、分かった。じゃあお茶淹れるね。あ、あとこれ金平糖、買ってきたよ。」
秀吉「ああ、ありがとな。金平糖はお前のだ。取っとけ。」
「?えっと、ありがとう…?」
お茶を淹れ二人に渡す。
三成「ありがとうございます。」
秀吉「ありがとうな。」
三人でお茶を飲む。
一息ついて、秀吉さんが切り出した。
秀吉「…お前に渡すものがあってな。」
三成くんが包みを私たちの前までずずっと進める。
秀吉「中をみてくれ。」
「………わぁ、素敵な布地ですね。どうしたんですか?こんなに沢山…」
包みを解くと…
唐紅に黒、緑に辛子色、群青に藤色に薄青。そして輝かんばかりののーーー白。
色とりどりの布地はどれも丈夫そうで豪奢だ。
秀吉「気に入ったか…?」
「はい、えっと……?」
秀吉「ご褒美だ。最近頑張ってたからな。」
「っ…ありがとうございます」
その布地は以前から秀吉が用意し、御殿に置いておいたものだで、
いつ渡そうか悩んだ結果、今日渡したのだった。
秀吉「……それでだな、舞。」