第15章 再会
(びっくりした……)
いきなり幸の顔が間近にあってとても驚いた。
(前にも……)
思い出すのは安土に来て二日目、
三成くんに城下を案内してもらった時のことだ。
(…あの時も二人して驚いちゃったんだよね。しかもその前に政宗たちがからかうから余計に…)
その時を始点にして、どんどんと安土での思い出が溢れ出してくる。
(いつの間にか…安土のみんなのことが大切になってた。)
じんわりとその気持ちを噛みしめて、
姿勢を正して幸の方を向いて話しかける。
「あのね、幸。やっぱり私は、安土に残るよ。」
出来る限り笑って、告げる。
幸「……」
「幸の話を聞いて、改めて決心がついた。
私ね、いつの間にか安土のみんなも守りたいって思うくらいに大事になってた。
もちろん幸や佐助くんも。
だから…私はギリギリまで抗いたい。
無力な分、別の方法で戦を止めたいの。
止められなかったとしても、ちゃんと見届けて、少しでもみんなが生きて帰れる道を、探したい。」
それに、私が幸達と行ったら戦の理由が増えちゃうでしょ?
話を聞き終えて幸は
ふっと笑った。
幸「お前は…強いな。分かった。
……そういうことなら、町まで送ってく。」
そう言って立ち上がった幸と共に私は歩き出した。