第15章 再会
「っ…ううん、むしろありがとう…」
幸「は?」
驚いたような顔で幸はこちらに向き直った。
「…安土でみんなを見ててね、みんな戦に真摯に向き合ってて、野望とか大義とか忠誠とか…そういうものの為に戦ってるっていうのは分かってきたつもりだった。
……けどやっぱり納得出来なくて…
でも、幸が言うように守るための戦いも、あるんだね。それ聞いてなんか、上手く言えないけど、良かったって思えた。
だから、ありがとう」
幸「っ…お前、ほんっと…意味わかんねぇ。」
幸は赤くなって明後日の方を向いてしまった。
「もしかして、照れてる…?」
なんちゃって、と言おうとすると幸はものすごい勢いでこちらに向き直った。
幸「て、照れてねぇよ!……っあ」
顔を覗き込もうと近づけた私と、勢いよく振り向いた幸の顔は鼻先が触れるほど近くて。
「「……」」
間近で幸の真っ直ぐでとても逸らせそうにない瞳と見つめあって、
二人共々赤くなって、同時にばっと顔を背けた。