第15章 再会
「っ……それって」
(一緒に来て、ってこと、だよね………)
幸たちと一緒に行くというのはつまり、信長様たちを裏切るということになるわけで。
でも残るということはこの場で幸とは完全に敵同士になってしまうということでもあって。
どうするのが正解なのか考えあぐねていると…
幸「別に大丈夫ならいい。けど、その…近々戦が始まるから……」
戦、という言葉を聞いてさらに心が冷える。
俯いた私をみて幸は気まずくなったのか、今度は幸がわざとらしく明るい声でいう。
幸「……っ、そ、そうだ!佐助から!文を、預かってたんだった。」
そう言って渡された文を読んで、私はさらにとんでもない心地になった。
青くなって黙りこくった私を見て幸が文を覗き込む。
そこには…
『舞さん、久しぶり。これを読んでいるってことは無事に幸とは会えたのかな。
…ところで、君も知っているとは思うけど、近々、謙信様と信玄様の合同軍と信長様率いる安土軍で戦をする。
そして君がこの乱世に来てからもう二月が経つ。あと一月ほどでワームホールが出現する予定だ。
ただ……計算によるとちょうど戦の起こる国境付近に移動したみたいなんだ。
だから…出来るなら君にも戦に同行して貰いたい。もし同行するならなるべく強い武将に守ってもらって欲しい。
本当は俺が守れたら良かったんだけど…
この手紙と一緒に忍者セットも幸に貰うはずだから、何かあったらその中の丸薬みたいなものに火をつけて。俺が作った打ち上げ花火なんだけど、打ち上げてくれればそこに行くから。じゃ、近いうちに話そう。 佐助』
と書かれていた。