第15章 再会
(城下へ行くの、久しぶりだな…)
るんるんと私の足取りは軽かった。
この前、私個人で受けた針子の初仕事として仕立てた着物を城下へ届けてから一週間は経っている。
もっとも安土城内は広いので、城から出なくても退屈という訳ではなかったが、
それでも久しぶりに城を出たことで心が躍る。
ジオラマみたいな街を眺め、
まずは甘味屋に向かう。
南蛮の菓子を揃えている、
信長様御用達の甘味屋だ。
(金平糖は……あった!)
店に入り見つけた金平糖を手に取ろうと瓶に触れた瞬間…後ろから伸びてきた誰かの手がぶつかり………
「あっ、すみませ………」
振り返ると
ここにいないはずの人が…
ここにいてはいけないはずの人が。
「っ………な…んで……」
どうして、ここにいるの、
???「……!………おー。」
………幸。