第13章 安土で(6)
着物ごし、
脚に突然何か温かいものが触れて
寄りかかられて
下を見て暗がりを見つめて
さらに驚いた。
「三成…くん?」
三成「舞様…」
いつから?
どうして?
色々と聞きたいことがあったし、
何より、
泣いて腫れた顔を見て欲しくなくて
困っていると、
いつの間にか立ち上がっていた、
暗がりでもよく見える
近さにいる三成くんが
膝をかがめて、
目をそらそうとする私と
それでも目線を合わせて言った。
三成「…すぐ戻ってきますから、
少し待っていてくださいね。」
にっこりと微笑まれて
思わず頷くと、
それを見届けて三成くんはどこかへ
走っていってしまった。