第2章 はじまりの日(イケ戦プロローグとほぼ同内容)
(おだ……のぶなが……?)
ぽかんとしてあたりを見回すと、煙の合間からお寺の門が見えた。
くっきりとした文字で…「本能寺」と書かれている。
「つかぬことを伺いますが……今って何年ですか?」
信長「……?天正十年だが、それがどうした」
『天正十年(1582)、明智光秀に裏切られ織田信長は自害し、本能寺は焼け落ちました』
(嘘でしょ……!?)
自分の頬を思い切りつねってみる。
(痛いっ、夢じゃないみたい。ってことは………
私は本寺の辺の夜に、タイムスリップしちゃったってこと!?)
信長「何をひとりで百面相している?この俺が名乗ったのだ。次は貴様の番だろう」
「!?」
指先で顎を持ち上げられ、自称・織田信長の顔が目の前に近づいた。
信長「貴様、名は?」
「……水崎舞です」
信長「ほう…苗字をもっているのか…。舞か。悪くない響きの名だな」
つ……と織田信長の指が顎をなぞる。
「離して……っ」
私は織田信長の手を払いのけ、後ずさりした。
(いったい何がどうなってるの!?)