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戦国のシンデレラ

第12章 安土で(5)


*三成目線


部屋に着いて、
舞様は頭を下げる。


「ありがとうございました…
みっともない姿を見せてしまい
すみませんでした……」


落ち着いてはいるものの
泣いたとはっきりわかる
赤い瞼を見て、

武将達もどうしていいか
分からず、
咄嗟に出たような
慰めの言葉を残したり、
頭を撫でたり、
肩を叩いたり、
自分のように何もできず
俯いたままだったりして
それぞれ部屋を出る。




……部屋を出てそれぞれが
御殿に帰る途中。


家康「……ねぇ。
なんで舞は
泣いたの?
ただ戦が怖いからってだけじゃ
なさそうだったけど。」


それは正直、
自分も疑問に思っていた。



秀吉「……舞は安土に
来る前、真田幸村に
世話になってる。」


家康・三成「!」


秀吉「…あいつは優しいから
俺達か幸村達かどちらかが
死ぬ…そんな戦に
耐えられなかったんだろう。」


秀吉「…本でもなんでも
あいつが
気を紛らわせられるような…」


主の言葉を最後まで聞き終えないうちに
私は衝動的に廊下を走り出した。


元来た道の方へ。
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