第11章 安土で(4)
秀吉「……御館様っ!」
信長「なんだ?」
思わずといったように
叫んだ秀吉さんに、信長様は
あくまで冷ややかに返事をする。
信長様を映していた
困惑したような秀吉さんの瞳が、
振り返って私を映す。
秀吉「舞…」
「………」
政宗「………信長、
流石に悪趣味じゃねえかそれは。」
信長「何がだ。」
政宗「…だから、その戦に舞を
連れてくことだよ。」
私が幸と佐助君と共にいた事を
知っているからか、二人が
抗議してくれる。
信長「…何故だ。…俺のものだ。
俺がどうしようと勝手だ。」
政宗「大体、なんで連れてくんだよ。」
信長「この女は俺に幸運を呼ぶ女だ。
今度の戦においても役にたつに
違いない。」
嫌なことに、
信長様は本気で
そう考えているようだった。
悪趣味だとかそういうものを
良くも悪くも全く考えていない。
信長「 この事についてこれ以上の
異論は認めん。話は以上だ。
皆もどれ。」
強引に話を終わらせた信長様が
みんなを天主から出してしまう。