第2章 はじまりの日(イケ戦プロローグとほぼ同内容)
目まいが治まりまぶたを持ち上げると、周囲に煙が立ち込めていた。
(あれ!? 私、京都の道端にいたはずだよね…? なんで部屋の中にいるの?
ここ、どこ!? それにこの煙、まさか火事…?)
まわりを見回しても、さっきの男性の姿はない。
その代わり、私の目の前にとんでもない光景が飛び込んできた。
「え……?」
甲冑を来た男性が柱に持たれて眠っている。そして…
部屋の隅に、長い棒のようなものを手に男性に忍び寄る人影があった。
(長い棒って言うより……!?)
煙の中を舞う火の粉が、切っ先をギラリと光らせる。
「危ない…!」
私が叫んだ瞬間、刃物を持った人影がはっとしたように足を止める。
眠っている男性に走りより揺さぶると、彼は眠たげにまぶたを持ち上げた。
???「っ……?誰だ、お前は」
「自己紹介はあとでします! 立って、今すぐ!」
(何が何だか分からないけど逃げなきゃ!この人、殺されちゃうっ……)
「私の手に掴まってください!」
???「………」
私は彼の手を取り強く握って引き上げ、すぐさま駆け出した。