第2章 はじまりの日(イケ戦プロローグとほぼ同内容)
???「……」
彼は私のすぐとなりで足を止め、石碑にじっと見入ってる。
(真剣な顔…。 白衣着てるけど、お医者さんには見えないな、大学生かな。)
何気なく彼を横目で見ていると、冷たい雫がぽつっと鼻の頭を濡らした。
はっとして空を仰ぐと、いつの間にか雲に覆われている。
「あ……」
小雨が降り出し、あっという間にどしゃぶりになる。
「っ……弱ったな。天気予報は晴れだったのに…! どうしよう」
???「大丈夫ですか? 傘ありますか?」
「あ、いえ、持ってなくて…」
彼と思わず顔を見合わせた時…
???「!」
「きゃっ!?」
稲妻がひらめいた直後、目の前で石碑が砕け散った。
(嘘でしょ!?目の前で落雷なんて…)
???「君、危な……」
「え?」
周囲が霞み、私に向かって手を伸ばす彼の姿が見えなくなって……
ぐにゃりと視界が歪んで、思わず目をつむる。
(何が起きたの……!?)
目まいが治まりまぶたを持ち上げるとーーーーーーー