第8章 安土で(2)
「…………!?」
女中さんに着替えさせられて
待っていてくれた三成くんと共に
広間へ向かった。
そしてその広間には…
数十人…いや、百人以上はいる
かもしれない、
とにかく沢山の武将が揃っていた。
(だ、大企業の宴会みたい…)
ぼうっとしていると
広間の一番奥、上座に座る
信長様に呼ばれる。
信長「舞、こちらへ。」
おずおずと向かい用意された席…
秀吉さんの隣に座る。
目の前には信長様。
信長「織田家ゆかりの姫だ。
名を舞と言う。
しばらくこの城に住むことに
なったので覚えておくように。」
「「「「「はっ」」」」」
その場にいた武将達全員の
声の揃った『はっ』に圧倒されてしまう。
(社長令嬢的な扱い…なのかな)
政宗「舞、
ぼうっとしてないでとりあえず食え。」
「そ、そうだね。いただきます。」
とりあえず近くにあった煮物に
口をつける。
一口食べると……
「美味しい…」
政宗「だろ?」
三成「政宗様は本当に
料理がお上手ですね!」
政宗「味なんか気にしない
お前に言われても
全然褒められてる気がしねえ…」
「え?これ、政宗が作ったの?」
政宗「ああ、そうだ。」
「じ、じゃあさっきの用って…」
政宗「飯作りに行ってたんだよ。」
「ええっ……!」
政宗「なんだよ。」
「意外すぎて…」
信長「舞、酌をしろ。」
突然のご指名にびっくりして
振り返ると信長様が手招きしている。
そしてその隣を見ると
信長様にお酌をしようとして
止められたらしい秀吉さんが
悔しそうにこちらを睨んでいる。
「は、はい」
秀吉さんになるべく近づかないように
反対側へ周り、信長様の隣に
腰を下ろしてお酌をする。
信長「良し。」