第8章 安土で(2)
お城の案内が終わり、
政宗は部屋まで送り届けてくれた。
政宗「じゃあ、
俺はこの後、用があるから。
宴まであと少しだけどゆっくりしろよ。」
「あのっ…政宗……ありがとう」
政宗「おう。
礼ならここにしてくれるか?」
そう言ってトン、と
政宗は自分の唇を指さす。
「し、しないからっ!」
政宗「ふっ。顔、真っ赤だぞ。
じゃあまたな」
(か…からかわれた…!!)
やっぱり戦国武将なんて
ろくでもないっ!!
私は畳んで置いてあった布団に
ぼふんと顔から沈みこんだ。
(ふかふか…………)