第7章 安土で(1)
政宗「んで、ここが台所だ。
…これで大体は分かったか?」
政宗は丁寧に城の中を案内してくれた。
「うん…ありがとう。」
そう言ってふと
疑問に思ったことを尋ねる。
「政宗…そういえばさっきの角、
行かなかった方の先には何があるの?」
政宗「ん?……あぁ、
あそこには天主がある。」
「天主?」
政宗「ああ。
…確か安土城では”天の主”と書いて
天主だったか?
俺にとっちゃどうでもいいが
間違えると秀吉が煩いからな…
元々天守ってのはまぁ、
言ってしまえば城の飾りなんだが、
安土城の天主は信長が
住んでる部屋になってる。」
「信長様の…部屋?」
政宗「あぁ。だからまぁ勝手に入ると
秀吉が煩いから気をつけろよ。」
「うん、分かった。」
(…絶対行かないようにしよう。)
信長様とは極力関わりたくない、
というのが今の私の正直な感想だった。
しかし私の気持ちとは裏腹に…