第7章 安土で(1)
「………あの、
さっき私を見に来たって、
あれはどういう意味ですか?」
政宗「敬語は無しって言っただろ。」
「分かったよ
で、あれはどういう意味…?」
政宗「ん?あぁ、信長の命を助けて、
しかも信長に目の前で盾突く女なんて
普通じゃないからな。
面白そうだから見に来た」
「面白そうって………」
なにそれ、と言葉にする前に
政宗が続ける。
政宗「それに、お前、
窮屈そうだったしな。」
「え…?」
政宗「…流石に昨晩いきなり連れてこられて、
居候しろじゃ驚くよな。
城内の案内もまだだろ?」
「う、うん……」
政宗「宴の時間まで
好きにしていいって言われてんだろ?
どうせ暇なら案内してやるよ。」
予想外の展開に脳の整理が
追いつかないまま、
私は政宗に付いていくことにした。
(実は政宗っていい人なのかな…)