第7章 安土で(1)
(幸と佐助君は大丈夫かな……)
ずっとそれだけが気になっていた。
それに、安土の人たちは
私を疑っている事を除けば
基本的に危害を加えることは
無さそうだった。
そのことだけでも2人に伝えて、
安心してほしい。
(早く、ここから
抜け出す方法を見つけないと……)
「ふぁ……」
考えていたら欠伸が漏れた。
そういえば昨日連れ去られてから
今まで寝てない。
(眠い………)
床几を近くに寄せてうとうとと
微睡んでいると………
???「入るぞ。」
声と同時に襖が開いた。
政宗「この状況で寝ようとするとは
なかなか図太いな、お前。」
家康「政宗さん。流石に一応、
女なんだから返事を聞いてから
部屋に入るようにしないと駄目ですよ。」
政宗「別になんもないから大丈夫だろ。」
「…いきなり勝手に人の部屋に
入って、何か用でもあるんですか。」