第2章 はじまりの日(イケ戦プロローグとほぼ同内容)
20XX 京都の町
(ひとり旅って初めてだけど、気楽でいいなあ!)
私は夜の街を散歩しながら、大きく伸びをした。
この京都旅行は、転職が決まった自分へのご褒美だ。
(休暇が開けたら、憧れだったデザイナーになれる…。勉強続けてきてよかった。
新しい職場で頑張るためにも遊び倒そう!)
弾む足取りで歩きながら、バッグから一冊のガイドブックを取り出す。
(『イケメン武将トラベルガイド』タイトルが目立っててつい買っちゃった。
武将にゆかりのある、京都の名所情報も載ってたはず…)
パラパラめくると、歴史上の人物の紹介ページが目に飛び込んできた。
「一騎当千 真田幸村」
(あ、真田幸村、十文字槍を使ってた人だよね。ゲームでもよく使ってたなぁ。)
「独眼竜 伊達政宗」
(この人もよく知ってる。よくドラマ化されるしゲームでも強い。でも京都じゃなくてたしか奥州…)
「ええっと、この辺の名所の案内ページは……」
(あった!『本能寺跡地の石碑が建っています』か)
「第六天魔王 織田信長」
本能寺の地図の横には、かの有名な武将の紹介も乗っていた。
(信長、ねぇ、、、)
『天正十年(1582)、明智光秀に裏切られ織田信長は自害し、本能寺は焼け落ちました。』
(『1582年、いちごぱんつの本能寺の変』って、テスト前に年号覚えたなぁ)
懐かしく思いながら、私は地図を頼りに本能寺跡地に向かった。
(跡地って……これだけ? 思ったより小さな石碑だな。)
足を止めた時、一人の男性が歩み寄ってきた。