第5章 春日山へ
舞達がおそらく里についた頃…
日が沈みはじめた山の中、
男は何か光るものを見つけ
馬を走らせるのを止める。
???「これは…
なんだ?髪飾りか?」
その男は丁度、
偵察に行かせている部下達の
様子を見、手作りの
差し入れをした帰りだった。
現代で言うスワロフスキーの
あしらわれた髪飾りを手にとって、
眼帯のついてない方の目を細める。
???「この素材はなんだ?
硝子にしては軽すぎるが…
石も付いてるし相当高価な物だろうな。
どこぞの姫がこの山を通る、
なんて話は聞いてないが……」
ブツブツと呟きながら
その男…
伊達政宗は
髪飾りを懐にしまい…………
「とりあえず日が暮れる前に
安土へ戻らねぇとな。」
そう言って、再び馬を走らせた。