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戦国のシンデレラ

第5章 春日山へ



舞が佐助と幸と共に
春日山へと向かい始めて数日。


一行は絶賛登山中だった。


(つ、つかれた……!!)



舞はヘトヘトになっていた。
時刻は寅の刻。
今日だけで既に二つの山を越えている。



一応、佐助も幸も気を遣って休憩を入れたり、
ゆっくり進んでくれてはいるが、
それでも戦国ライフを始めたばかりの、


しかも女性の舞にとって
二人の旅のペースはかなり速く、
着いていくのに必死なのだ。



(馬…ぐらぐらする…めまい、しそう……)


ただでさえお世話になっているのに、
これ以上気を遣わせるわけにはいかない。
おそらく疲れからきているであろう
眩暈と戦っていると、
佐助がこちらを振り返り言った。


佐助「舞さん、大丈夫?
この山を下ったら里だから、
とりあえずそこにある宿に泊まろう。」


「大丈夫…うん、分かった。」


なんとか笑顔でこたえる。


佐助「無理はしないで、
疲れたら遠慮なく言ってほしい。」


「ありがとう…」


幸「里が見えてきたぞ。」


「ほんと?」


幸「おー。」


他愛ないやり取りを交わしながら進んでいく。


みんな、疲れていたし、
里が見えてそちらに気を取られていた。


だから、誰も気づかなかった。


ーーーーシャリン。



舞の落とした髪飾りに。
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