第3章 夢か現か
???「……さん、舞さん、起きて。」
「ん………」
呼ばれた気がして、うっすらと目を開けるとメガネの人が私を呼んでいるのが分かった。
「誰…………」
佐助「俺だよ、佐助、猿飛佐助。舞さん、起きて。」
???「…ったく、イノシシ女、寝起きも悪いのかよ。もう午の刻だぞ。」
佐助「幸、女性に対してイノシシ呼ばわりは失礼だと思う。それに舞さん、きっと色々あって疲れているんだ、仕方ない。」
話し声が聞こえてきて意識が急激に浮上してくる。
「ん………えっ……」
(どうして部屋の中に男の人がいるの!?というかここはどこ?私は昨日……)
昨日、何があったか。
自分の服や、現代とは程遠い脆い建物の造りを見て、何があったかを思い出す。
(夢じゃ…なかったのか……)
そしてようやく私の意識は、部屋にいる男の人達に向かう。
「佐助君と、、、昨日助けてくれた人…?どうして…」
佐助「!舞さん、起きたのか。お邪魔してごめん。この人は幸。」
「幸さん………」
幸「幸でいい。ったく、お前寝すぎだろ。いま何の刻か分かってるのか?午だぞ午。」
「うまのこく………」
(午の刻って何時くらいだろう。えっと、ねーうしとらうーたつみーうま……)
佐助「舞さん、午の刻は」
舞・佐助「「12時」」
佐助「!…そう、12時だ。」