第2章 はじまりの日(イケ戦プロローグとほぼ同内容)
佐助「……!君は………」
「え……?私がどうかしましたか?」
謙信「偶然行き合っただけの女だが……知り合いか?」
佐助「………いえ、なんでもありません。
迷い子のようですね。俺が里へ送っていきます」
信玄「佐助、抜け駆けするつもりかー?」
佐助「茶化してないで、信玄様たちは先に街へお戻りください」
短く告げた後、忍者は私の手をそっと掴んで歩き出す。
「ちょ、ちょっと待って下さい。私、実は里のものじゃ……」
佐助「知ってる。俺は君をずっと待ってた」
(私を待ってた……?
待ってたってどういうこと………!?)
混乱する私を森の奥へ連れ込むと、忍者は顔を覆う装束を取り払った。
佐助「俺の顔に見覚えはない?」
無表情で知的な顔が、タイムスリップ直前に見た顔と重なる。
「あ! あなたは……」
………………………
佐助「大丈夫ですか、傘はありますか」
「!」
佐助「君、危な……」
………………………
「石碑の前にいた大学生!?」
佐助「正確には大学院生だ。だけど覚えてくれていてよかった。話が早い」
「あなたもいタイムスリップしてきたの!? しかもそうして忍者の格好なんて……っ」
佐助「順を追って説明する。俺の名前は佐助と言って……
君と同じ現代人だ」
混乱する私に、佐助くんはこれまでの出来事をゆっくりと語り始めた。
(目眩がしてきた………)
話を聞き終え、私は切り株に座り込んだ。
「つまり、あの雷が原因で時空が歪んで、私達はタイムスリップしちゃったってこと?」
佐助「ああ。原理の説明は省くけど、おおまかな解釈はそれであってる。
で、俺は君と一緒にタイムスリップして、今から4年前の戦国時代に飛ばされたんだ。
この4年間でわかったんだけど………ここは、俺達が学校で習った戦国時代とは違ってる」
(えっ、どういうこと!?)